導入前の課題電話・無線・メッセージによる連絡が非効率作業進捗の共有化が困難当日の作業要望や緊急対応に時間がかかる作業が重複してしまう場合もある膨大な紙資料にコストがかかる導入後の効果電話回数が激減し、夜間はゼロに作業進捗がリアルタイムで共有化され、重複作業も解消当日の作業要望への緊急対応が迅速化紙資料が大幅に削減業務効率化に継続的に取り組む札幌の除雪会社アビリティ株式会社は、札幌市に拠点を置き、公共・民間の除雪業務や土木工事を行う企業です。札幌市では市内を区域に分割して除雪を行っていますが、アビリティ社はこのうち東区の一部を担当しています。 8人のオペレーターが在籍しています。LivMap は今年度の除雪シーズンから導入を行い、業務を効率的に行う上では欠かせない存在になっています。車両オペレーターは作業を中断して電話。音声等では進捗把握が困難アビリティでは、以前から除雪業務の効率化に社内で取り組んできましたが、依然として以下のような課題があり、オペレーターの負担軽減が喫緊の課題となっていました。1. 電話・無線・メッセージによるやりとりが非効率除雪作業時の連絡は電話や無線が中心でした。 このため、除雪センターからの緊急の作業指示等が入り、対処をする必要が生じた際には、近くに居るメンバーを把握するために個別で電話や無線で連絡をする必要がありました。オペレーターは、ロータリーやタイヤショベルといった機械を扱いますが、操作するには両手が必要で、電話や無線を受ける際には一度車両を停めて作業を中断しなければなりません。作業中断が無いようハンズフリーイヤホン等を導入しましたが、運転席内部はエンジン音により通話が聞き取りにくく、車両によってはエンジンを停止しないと会話ができない場合もありました。このため、かける方にとってもかかってくる方にとっても大きなストレスになっていました。また、住民からの作業要望はセンターに集約され、1要望が1枚の紙になるため、当日朝にオペレーターがセンターに集まると、紙の束を確認するのがルーチンになっていました。効率化のために LINE グループを導入し、紙地図上にメモが書かれた写真を送るようにしたものの、メモと Google Map の照合が手間となり、依然として効率的ではありませんでした。 1ヶ所の作業指示に対して2台の車両が向かってしまったといったこともありました。2. オペレーター同士のリアルタイムな状況把握が困難複数の車両で1エリア全体の作業を完了させるためには、オペレーター同士がお互いに別車両の作業進捗を把握する必要があります。 が、電話や無線、 LINE では正確な位置や状況の把握が困難であり、連絡が入るたびに作業を中断することになるため、連携には大きなストレスと手間がかかっていました。LivMap により、夜間の電話はゼロに。住民からの電話への対応も迅速化。これらの課題を解決するため、アビリティ社では、今シーズンから除雪管理システムとして LivMap を導入しました。 稼働中のオペレーター全員が LivMap で現在位置と軌跡を共有したうえで作業を行い、メンバーに共有され、この情報が本部とも共有されている状態を作ることにより、以下のような効果が得られました。1. 電話・無線による連絡のストレスが劇的に減少• 以前は1人あたり1日2,3回は電話をしていましたが、LivMap 導入後は劇的に減少し、特に夜間の除雪ではゼロになりました。 電話に出るために作業を中断する必要が無くなり、オペレーター側のみならず本部側のストレスも圧倒的に軽減されました。• 担当地域で複数台の車両で連携して除雪する際、互いの進行状況が一目で把握できるようになりました。作業員同士が現在地と進捗状況をリアルタイムで確認可能になりました。これにより、「今日はあいつの進捗が遅いな、であれば自分がもう少し奥までやろう」といった判断が、特に電話やメッセージを送らずとも可能になりました。2. 当日の作業要望や緊急対応の迅速化当日の作業要望や緊急対応があった際、PC 上で登録し、それを各オペレーターが地図上で即座に確認できるため、迅速な対応が可能になりました。紙地図への記録や情報確認にかかっていた時間と手間が削減されると同時に、紙資源の無駄も大きく減りました。導入の決め手は、UI が良く、連携効率化の兆しが即見え、しかも安価であることアビリティ社が LivMap を導入した主な理由は、以下の通りです。UI が良く、比較的シニアな層でも使い方が直感的に分かりやすい作業員同士の連携がスムーズになる兆しがすぐに見えた現在位置のみならず、軌跡もリアルタイムで共有できるしかも安価である道路網図掲載や、道路工事・調査業務への応用にも今後アビリティ社では、背景地図として道路網図などを掲載することで、さらなる効率化を目指すことも視野に入れています。 車両同士が連携する際、住所や番地などで会話するわけではなく、路線番号で会話を行います。その際に道路網図が入っているとより有用性が高いと言えます。また、現場業務の結果は、取りまとめている発注元に報告し、そこからさらに除雪センター、札幌市雪対策室、といった流れで報告する流れもあります。 LivMap によって、こういった組織間での連携や報告業務も単純化される可能性もありそうです。また、今後は除雪業務以外への応用も視野に入れています。具体的には、春以降の道路の穴埋め工事や、調査業務、その他安全管理への活用も検討して頂いています。