導入前の課題森林計画資料などの紙地図を準備する手間が大きいことに加え、紙地図での位置把握には一定の慣れが必要現場の作業情報を共有するにあたり、紙、PDF、PC の GIS ソフトなどでの連携は非効率的であった若いメンバーがスキルを向上していくにあたり必要な情報へのアクセスが悪く、学習速度を上げるにも限界があった導入後の効果森林情報や路網の把握が圧倒的に楽になった作業時のメモ・記録・共有が連動して行えるようになった集材作業する時に集材木の漏れが無くなった新人のキャッチアップが早くなったログオーバー株式会社は、平均年齢30才、8人のメンバーで構成される林業事業者です。 北海道は道東の広尾町にあり、民有林・国有林・道有林の施業を行っています。代表の平さんは以前、広尾町の森林組合に務めていましたが、独立してログオーバーを立ち上げました。地図や記録の取り扱いの煩雑さ、若手へのノウハウ承継の課題森林計画資料などを現地で確認する際の難しさ山林内で確認したいデータには、自治体などから取得した森林計画資料、国土地理院から取得した等高線、法務局から取得した地番データなどがあります。これらを確認するにはいくつかの方法がありますが、まず、紙地図を使う場合、その準備に一定の時間がかかる上、山林の中で等高線を見て位置を把握できるようになるには熟練が必要になります。GIS データを表示し記録できるアプリを使う方法もありますが、各人にスキルが必要であったり、記録を共有化するには事務所に帰って PC 作業が必要だったりと、効率的ではありません。 GNSS 機器などを導入する方法もありますが、その場合はメンバー分の機器を揃えるための高額な出費を許容する必要があり、現実的ではありませんでした。作業情報を共有する際の難しさ会社のメンバーが計画・実行する作業の内容を共有しようとすると、さらなる難しさがあります。新設した作業道を共有するにあたっては、作業道を作設した社員が紙や PDF 上に手書きで作業道の線形を記入するか、もしくは PC の GIS ソフト上で作画し、紙で印刷したり画像にして LINE で送るといった形で他者へ共有しており、効率的とは言えませんでした。 また、伐採時の短幹集材時は、ハーベスタで玉切りを行った丸太を別の作業者が運転するフォワーダで集めますが、その集積した丸太の位置情報も口頭で伝えられることが多く集材漏れが発生してしまう場合がありました。このように、基本的な仕事の流れを効率化することは、喫緊の課題となっていました。知識の共有化・ノウハウ承継の難しさ加えて、若く経験が浅いメンバーが多い環境の中で社員の知識やスキルを向上していくにあたり、PDF を LINE で共有するといった方法では、俯瞰的・重層的な把握が難しく、学習速度を上げるにも限度がありました。 社員が効率的に様々なデータに自発的にアクセスでき、学べる環境の構築は、この意味でも急務となっていました。管理負荷の軽減に加え、作業道や機械の動きを共有化して負荷削減。若手の学習効果も。LivMap の導入により、まず管理側の負担が大きく減少しました。北海道の森林計画図・森林簿は、等高線や航空写真と重なる形で LivMap に初期から搭載されています。これにより、調査や施業の度に地図を作成する作業が大きく削減され、多くの場合「スマホを見ればOK」という状態になりました。また、施業に適した山を見つけた際に、その場で林小班等を確認してアプリ内でメモを取り、連動して社内に共有できるのも大きな時間短縮になりました。現場においても業務を削減できました。他の人が歩いた / 作業した軌跡が残るので、道を簡単に把握できるようになりました。また、ハーベスタで切った丸太等をフォワーダで拾っていく集材作業をする際、漏れが発生する可能性がありましたが、LivMap で軌跡や地点メモを残せることにより、この漏れを無くすことができています。特に間伐時は集積場所が多数になるため、効果が大きいです。また、若手社員が多い弊社においては、その社員たちの知識向上やノウハウ承継にも大いに役立っています。 情報に対するアクセスが非常に良くなるため、新入社員が過去の情報を簡単に検索可能になりました。 スジの良い若手は LivMap を見ながら「勝手に学んでいってくれる」といった感覚すらあります。DXによる若手の育成効果や、採用への好影響も期待LivMap の活用は、今後採用にも効いてくると感じます。 LivMap を使うことにより、業務効率が上がることに加え、明らかに学習スピードが上がる感覚があります。例えば北森カレッジなどの林業学校で学ぶ若い学生には、このようなツールはすぐに受け入れられるはずです。 彼らが就職をするとなった際、その就職先が旧態依然とした紙などによる情報共有をしている場合、その非効率さや情報取得の煩わしさには耐え難いはずで、となると、こういったツールを入れているということ、DX に積極的であることが就職先選定の条件になってくる可能性があります。 そんな将来に向けて、我々は今の段階から投資をしていきたいと思っています。