導入前の課題調査対象となる小班の特定が困難写真の整理に多くの時間がかかる。特に抜け漏れ確認が大きなストレス作業者間の連携や、進捗把握が難しい導入後の効果全情報がスマホの地図上に集約化され、巡視作業の効率が圧倒的に効率化写真の整理業務が大幅に簡素化され、抜け漏れ確認のストレスが大きく軽減俯瞰的かつリアルタイムな状況把握と連携が可能にJクレジットの証跡管理におけるアカウンタビリティが向上巡視業務における対象特定の困難さ、進捗管理や納品業務の負担も多大株式会社ステラーグリーンは、森林の適切な管理を通じてCO₂削減に貢献する、カーボンクレジットの創出業務を行っています。 その登録や維持を行うにあたっては、森林内の巡視活動を行い、写真等により森林管理の証跡を担保していくことが必要ですが、膨大なデータを漏れなく管理する作業は非常に煩雑であり、発注するステラーグリーン側にも、その業務を受託する林業者や森林組合側にも、多くの時間を必要としていました。カーボンクレジットの品質は、登録後の継続的なモニタリング精度に大きく依存しています。巡視業務はその中核を担う重要な工程であるものの、その作業負荷の大きさは大きな問題になっていました。従来の方法では以下のような課題がありました。調査対象となる小班の特定が困難:紙の地図では、自分がどの調査区域にいるかを正確に把握するのが難しく、現場作業の進捗が悪かった。記録・納品作業の負担:撮影した写真を整理し、報告資料を作成するのに時間がかかり、手作業での確認作業に多くの時間を費やしていた。地図アプリでは不十分:GIS データを扱うことができる地図アプリは、一部の人しか利用できない、共有できない、高い、といった問題点があった。ドローンだけでも不十分:ドローンで取得したオルソ画像による巡視記録も行われているが、針葉樹の切り株など伐採の具体的な証跡はドローンでは確認が難しいことや、鉄塔付近などではドローンを飛ばせないといった問題があり、人の手による現地確認はいずれにせよ必要になっていました。進捗管理の不便さ:複数人で巡視する際、お互いの作業状況が分かりにくく、同じエリアを二重に調査したり、調査漏れが発生する、といったことが起こっていました。LivMap に調査対象を色付けした地図を搭載し、その上に現場記録を重ねて把握上記の状況を受け、ステラーグリーン社の Jクレジット登録事務を行う担当者に加え、実際に山に入って森林の状況を写真で記録する、秋葉山林合同会社の皆さま、山主の栗田さまなど、関係者全員が入った LivMap のグループを作成し、以下のことを行いました。調査対象の小班を色付けして現場作業を分かりやすく整理した地図を作成し(ステラーグリーン)、 LivMap に掲載(はんぽさき)スマホの地図上で撮影ポイントを確認 し、適切な場所で写真を撮影(巡視担当者)リアルタイムで進捗管理を行い、チーム間の連携を強化 (巡視担当者)ステラーグリーン社が利用中の LivMap 画面%3Cdiv%20style%3D%22position%3A%20relative%3B%20padding-bottom%3A%2065.625%25%3B%20height%3A%200%3B%22%3E%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.loom.com%2Fembed%2Fdb82fb7a0bc847f79558a027913776e4%3Fsid%3D8213f07a-a5b7-4121-a294-6bb9cc50e227%22%20frameborder%3D%220%22%20webkitallowfullscreen%20mozallowfullscreen%20allowfullscreen%20style%3D%22position%3A%20absolute%3B%20top%3A%200%3B%20left%3A%200%3B%20width%3A%20100%25%3B%20height%3A%20100%25%3B%22%3E%3C%2Fiframe%3E%3C%2Fdiv%3E巡視作業を圧倒的に効率化、抜け漏れ確認のストレスが大きく軽減これらの取り組みにより、先述の課題が大幅に解消されました。巡視作業の効率化:LivMap により、必要な全情報がスマホの地図上に集約することができました。 調査対象の小班を色付けした背景地図を掲載し、どこで写真を撮るべきかが一目で分かるようになりました。リアルタイムで位置と進捗を確認可能:巡視メンバー間で進捗状況を視覚的にかつリアルタイムで共有できるようになりました。 これにより無駄な移動を省き、スムーズな作業が可能になりました。写真の撮り忘れなどもほとんど無くなりました。報告業務〜抜け漏れ確認の大幅な簡素化:「小班に入る → 写真撮影 → 地図上に自動アップロード → 完了」という流れが確立され、報告作業のストレスが大幅に軽減されました。Jクレジットの証跡管理の向上:撮影地点が明確になり、記録の正確性が向上すると同時に、記録業務に対するアカウンタビリティが向上しました。従来と比較して巡視作業・写真整理・納品業務の時間が大幅に削減され、現場と事務作業の双方で業務効率が飛躍的に向上しました。UIや背景地図のカスタマイズ性、安価であることが決め手に導入前には、他の GIS ツールやシステムとの比較も行われましたが、それぞれについて何らかの懸念が見つかりました。GIS アプリ A:調査対象の林班界が表示できないため、巡視業務には不向き。現地調査アプリ・システム B:高機能だが、設定やカスタマイズに時間がかかる上、高価。登山アプリ C:一般登山者向けであり、巡視業務には適していなかった。LivMap は、 シンプルで使いやすい UI 、背景地図のカスタマイズ性の高さ、安価であることなど が評価され、最終的に導入に至りました。文化財調査や線下伐採などへの応用もまた、今回の巡視チームは普段から様々な形で林業関連や山林調査関連の業務を行っています。 LivMap は、文化財調査や送電線下の伐採管理など、多方面での応用が期待されています。文化財調査への応用秋葉古道の文化財調査では、過去の調査で記録されていた石碑の位置が不明になっていましたが、LivMap に掲載されている CS 立体図を活用することで古道を見つけることができたと同時に、 6ヶ所の石碑を再発見されました。行政や研究機関が文化財マッピングの手段としての有用性が期待できそうです。線下伐採業務への応用送電会社、電力設備会社と連携し、電線下の伐採管理の効率化に期待して頂いています。既存の点検道や危険箇所を可視化し、作業員の安全確保にも寄与しそうです。LivMap が Jクレジットや林業界に与える変化に期待LivMap の導入により、Jクレジット巡視業務が大幅に効率化されました。これにより、Jクレジットの創出がより効率的に進むことが期待されますが、加えて、林業や森林管理そのものにも新たな可能性が広がりそうです。まず、これまで専門的な知識が必要だった山林内での業務を、より多くの人が担える環境を作れることに期待頂いています。紙の資料を持ち歩かずとも、スマホ上で必要な情報を確認しながら作業できるため、林業に詳しくない人でも一定の業務をこなせるようになります。これは山主についても同様です。 現在、山主が都会に住んでおり、自分が所有している山を見たことすらない、といったことが多くなってきています。 LivMap により、山林の確認がより身近な行動になるだけでなく、より安心して山に入ることができるようになりそうです。また、過去の伐採や管理状況の記録が写真付きで蓄積されることで、今後にわたって山林の管理や継承に役立つデータベースが形成され、次世代に山林の情報を適切に伝えることが可能となりそうです。