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幕別町役場 建設部土木課
業種:
道路管理
/
地域:
北海道 幕別町
道路管理
自治体

使用している主な地図:認定道路網図、地番図、除雪路線図
ユーザー数:平常時20(災害用待機アカウント100)
利用開始:2025年9月
主な使用用途:道路管理、災害対応
パトロールや現地確認にかかる人員を約半分に、時間も約3分の2まで短縮
業者が毎週役場へ持参していた紙の報告書を廃止し、スマホからのアップロードのみで報告が完結
普段使いのツールが災害時にもそのまま機能。1システムで対応可能になり災害システムの習熟問題も解消
北海道南東部に位置する幕別町(まくべつちょう)は、十勝平野の雄大な農地が広がる町です。
道路・公園の維持管理を担う幕別町役場 建設土木課では、紙の地図を使ったアナログの情報収集手法や複数のツールを使い分ける情報共有の煩雑さが課題となっていました。
広大なエリアの道路・公園管理を少人数で担う現場で、LivMap はどのように活用されているのでしょうか。

幕別町役場 建設部土木課は、道路や公園などの整備や維持管理、地籍業務などを担当する部署です。業務を正確に行うためには、平常時・災害時ともに、「どこで」「何が起こっているか」をリアルタイムに把握することが欠かせません。
以前は住民から道路などの不具合の通報を受けた際、紙地図で場所を確認して2人1組で現場へ行き、一人が紙の地図に色を塗り「どこまで確認したか」をチェックしながら歩いていました。確認後は撮影した写真を LINE で維持管理業者に送ったうえで、電話で内容を伝える流れで対応していたといいます。

維持管理業者からの報告は、週1回の紙による報告書が基本でした。業務完了時には全作業の写真を添付した報告書も必要で、双方にとって手間のかかる運用が続いていたのだそうです。
現場写真も、「デジカメで撮影 → SDカードからPCへ転送 → 印刷 → 役場へ直接持参して報告」というフローだったため、無駄な手間や管理コストが発生していました。

また、災害時には、建設部に属する土木課・都市計画課・水道課などが協力して現地確認を行います。ですが、情報共有の手段が紙やExcelなどバラバラだったため、課をまたいだ連携がうまくいかず、複数の職員が同じ場所を重複確認してしまうケースもありました。
これらの課題を解決するために導入されたのが、チームで使う共有地図「LivMap」です。LivMap 導入によって作業管理がどのように変化したのか、建設部土木課の香田さん、綱島さんに聞きました。
—— まず、LivMap を知ったきっかけを教えてください。
香田さん:2025年8月に開催された、北海道庁主催の地域課題解決型ピッチイベント「UPDATE179」で説明を聞いたのがきっかけです。
幕別町はインフラの包括的管理を目指す「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」のモデル地域に選定されていることもあり、DX 化を進めるツールを探していました。他のシステムは高価で使いづらそうといった印象でしたが、LivMap は低コストで UI もわかりやすかったため、「ちょうどいいものを見つけた」と感じました。
—— 導入にあたっては、どんなサポートがありましたか?
綱島さん:まず、LivMapについて学ぶ勉強会を開いてもらいました。UPDATE179 で LivMap を知ったすぐ後だったので、そのスピード感がすごいなと感じました。トライアルをすることになったときも、試用期間を長めに取っていただきありがたかったです。
—— 勉強会はいかがでしたか?
綱島さん:オンライン開催で、土木課をはじめ総務課や防災環境課、連携協定を結んでいる NTT 職員も含め、総勢19名で参加しました。「写真を複数アップロードできるか」「幕別町で管理している地図データを LivMap に反映できるか」などわからないことを質問したり、LivMap の基本操作を確認したりすることができました。

—— 勉強会からわずか数日後に、北海道初の線状降水帯が発生したと伺いました。その際にさっそく LivMap を使用されたそうですね。
香田さん:はい、「とりあえず使ってみよう」ということで、LivMap を被害状況の把握のために使用しました。
このときの大雨では、幸い大規模な災害には至りませんでしたが、未舗装の砂利道が雨水で侵食されて路面がえぐれたり、道路への倒木が発生したりしました。これらの被害状況を、現場の職員が写真とコメントつきで LivMap にアップロードすることで、事務所にいる管理職が情報をリアルタイムに把握でき、修繕業者への指示もすぐに出すことができました。

綱島さん: 現場に出る際に必ず位置情報共有機能をオンにすることで、各職員の現在地を知ることができたため、効率的にパトロールすることもできました。現場で倒木や道路の洗掘などの被害写真を、直感的な操作でアップロードできる点も良いなと感じました。

—— 他部署との連携の面ではいかがでしたか?
綱島さん:とてもスムーズでした。防災環境課から河川の状況確認を依頼された際にも、LivMap を通じてすぐに写真を共有することができました。
以前は課ごとに情報の集約方法が違いましたが、課をまたいで情報を一元管理できるようになったのは大きな変化でしたね。また、リアルタイムに登録した写真や被害箇所の記録が、そのまま議会などへの行政報告に活用できたのも助かりました。
—— 平常時は、LivMap をどのように活用していますか?
綱島さん:道路の不具合箇所の把握や職員間の位置情報の共有に使用しています。
幕別町では、「認定道路網図」「地番図」「除雪路線図」の3つを「組織専用地図」として LivMap に搭載しています。道路の不具合を発見したら路線名を把握する必要がありますが、無数にある道路の名前をすべて記憶するのは困難です。なので LivMap 上に認定道路網図や地番図を表示させ、不具合箇所の位置と照らし合わせることで、正確な路線名や番地を特定しています。

—— 情報共有の面で、変化を感じたことはありますか?
綱島さん:紙と比べて情報伝達の確実性が上がりました。以前は、伝えたつもりでも伝わっていなかったり、進捗がわからなかったりということがありましたが、いまではログが残るので、状況が一目でわかるようになりました。
—— 人員や作業時間の面での効果はいかがですか?
香田さん:体感では、作業員数は最大約半分に、作業時間も約3分の2まで短縮できていると思います。
軌跡を記録することで紙の地図に色を塗りながら歩く必要がなくなったため、2人1組で行っていたパトロールも1人で回れるようになりました。
また、職員の現在地がわかるので「ついでに近くのこの場所も見てきてほしい」といった指示もできます。新たに職員を向かわせる必要がなくなり重複対応がなくなったぶん、現場を効率的に回せるようになったと感じています。
—— 他にも、業者さんとのやりとりに LivMap を使用されているのだとか?
綱島さん:はい。草刈りや修繕などの公園整備を行う維持管理業者が、作業前後の現場状況を報告する際のツールとしても活用しています。
「帳票カスタマイズ」機能を使ってあらかじめ入力項目を設定しておき、業者にはその項目に沿って現場で入力を行うルールを設けて運用しています。
日常的な点検作業・住民からの通報対応・点検中に見つけた不具合箇所などをすべて地点登録し、作業前後の写真や作業内容などをコメントしてもらう仕組みです。

これにより、事務所に戻って写真を整理し、紙で打ち出して役場に持ってくる手間がなくなり、完全ペーパーレス化が実現しました。早朝からの現場写真もリアルタイムに共有可能となり、委託事業者・職員双方の大幅な工数・時間削減につながっています。
—— ちなみに、導入前後、業者さんの反応はいかがでしたか?
香田さん:正直、最初は一部の業者さまから反対の声もありました。ほとんどがガラケーユーザーだったため、スマホ操作に対する抵抗感が強かったようです。ですが、私たちが何度か現場へ足を運び、直接使い方を説明すると、「こんなに便利なものはない」という反応に変わっていきました。
今では「LivMap という便利なツールがあって」と、他の業者に宣伝してくれる方まで出てきました。「これならうちでも使えそうだ」と徐々に広がっていって、今では全ての業者が使用しています。

―― 災害への備えとして、LivMap の仕組みを活用されているそうですね。
綱島さん:災害時に備えて、土木課の通常アカウントとは別に、全庁対応用の「災害用待機アカウント」を100アカウント準備しました。平常時は無料版と同様の機能制限がかかっている LivMap を、発災時に制限解除し使用できるという仕組みです。
非常時に LivMap を使用する可能性がある職員のスマホにあらかじめインストールし、普段から慣れておくことで、習熟の問題を解消することができます。さらに、月々少額の費用を支払うことで、いざという時に追加費用なしで即座に対応できるため、災害時の急激なコスト増加を避けられるのも大きなメリットです。
香田さん:線状降水帯での経験を通じて有用性は十分に実感できたので、避難所の運営職員など他の課の職員との連携も見据えて予算要求を行いました。次の非常時にもぜひ LivMap を活用したいと考えています。

—— 最後に、同じような課題を抱える自治体の方へ、メッセージをお願いします。
香田さん:特に幕別町のように小さな町の場合は、大掛かりなシステムよりも、すぐ現場に適用できる気軽な使いやすさのほうが合っているのかなと感じています。同規模の自治体にぜひおすすめしたいツールです。難しく考えず、まずは現場に持ち込んでみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
